セルバンテス文化センターは、利用者サイトをより安全、快適に利用していただくため、当方および第三者のクッキーを使用しています。ご利用にあたり、法的通知およびクッキーの利用方針に同意したとみなされます。

セルバンテス文化センター東京公式ブログ

スペイン国営セルバンテス文化センター東京の公式ブログです。スペイン語、スペイン語圏の文化に関するコースやイベントの情報が満載!

『Sin nombre』試写会に行ってきました!

去る2月10日にセルバンテス文化センター東京で、映画『Sin nombre(闇の列車、光の旅)』の特別試写会&監督らによるシンポジウムが開催されました。映画のストーリーが面白しろく、映像が美しかったというはモチロンですが、テーマが『移民』ということで、非常に考えさせる映画となりました。映画を見て後に、友人らと『語りたくなる』、そんな作品。これから夏に公開ということですが、ぜひ色々な方に観ていただいて、『語って』頂きたい、そう感じました。

映画 「闇の列車、光の旅」

映画 「闇の列車、光の旅」

以前、このブログでも上映会の情報とあわせて、あらすじをご紹介させていただきました。

作品をみて感じたことは、「なぜ、命を掛けてまで移民する必要があるのか」を日本で恵まれた環境にいる私にはとても想像がつかない、ということでした。でも、この世界のどこかで起こっているこれらの社会問題に、地球市民の一人として「目をつむって知らんぷりをしてはいけないんだ」と、強く考えさせられるキッカケとなる映画となったことは、間違いありません。

作品を創り上げるために、監督は実際に列車の屋根に上って、南米から北を目指す移民の人々にインタビューをしたそうです。実在するギャングの元メンバーに会いに刑務所にも足を運んだとか。そういう体を張った取材があったからこそ、リアリティある作品となったのだと思います。ただ、映画上映後に監督もおっしゃっていましたが、あくまでもこの映画は『フィクション』。現実の社会問題をテーマにした映画ではあるけれども、実際には映画では語りきることができない複雑な問題や、見えない部分が沢山あるのです。こういった問題が存在するのだということを「知ってほしい」と、監督は力説していました。

貧困から生まれる暴力、命をまるで壊れたオモチャくらいの価値にしか感じていないギャングの世界、少年が暴力へ染まっていく姿、命をかけて列車の屋根に上り北を目指す移民、その彼らに食べ物を提供する人や石を投げつける人・・・。映画では語られることはなかったですが、これから米国という新境地にいったからといって必ずしも「ハッピーエンド」が待っているわけでもない、不法滞在者としての不安定なステータスが待っていることも明らかです。フクナガ監督も、取材した移民者も誰ひとりとして「移民したから楽になる」と考えているひとはいなかった、と取材の様子を語ってくれました。そこまでしても、「移民する」という選択をする人々の決意や、追い詰められた状況が、出演している役者さんや監督の力で観ている人にビシビシと伝わってくる、そんな作品でした。

上映後のシンポジウムでは、フクナガ監督への質問や、映画を見た感想なども会場から寄せられました。日本での難民受け入れの問題や移民の課題などにも話が及び、会場がとてもあつい熱気で包まれていました。映画はエンターテイメントでもありますが、多くの人に課題を明らかにして突きつけるという、そんな役割も持っているんだと、改めて感じさせられました。

テーマは重いですが、その重さを色鮮やかな映像で撮っていますし、ストーリーもノンストップなハラハラ感を楽しめて、エンターテイメントとしても十分に見ごたえがある作品だと思います。是非、多くの方々に観ていただきたいと思います。

シェアする

Twitter Facebook Google+ LinkedIn Del.icio.us Tumblr Del.icio.us

関連リンク

フラグ

コメントする

© Instituto Cervantes 1997-2017. Reservados todos los derechos. bibtok@cervantes.es